同じ方向に動き続けるターゲットでも、移動速度が変化すると難度が上昇します。対戦 FPS においては、走り・歩き・斜め移動の違いやスライディング・ブーストなどのアビリティ活用など、移動速度を変化させる手段が様々にあります。変化に応じ、照準を動かす速度を適切に加減速させる練習をテーマとして、このシナリオを設計しました。
KovaaK's "Ultimately Various Speeds Smoothness"
— pleasewait ✛ (@m_plzw) 2023年3月3日
しゃがみ・スプリント・移動速度の異なる8種類の武器といった機能を用いることで様々な速度に変化するターゲットを狙うシナリオ
マウスを適切に加減速する必要があり、個人的にはかなり難しい動き pic.twitter.com/UdBXup3o11
エイム練習としての効果を高めるため、細いターゲット・太いターゲット・ヘッドのみのターゲットを出現させました。複数種類のターゲットを用いることで、慣れを抑制し、対応力を問うようにしています。また、ベースとなる速度もターゲットごとに変えており、より多様な速度と接する機会を持てるように設計しました。
同様の理由で、地上の横移動だけでなく、跳ねる動きも盛り込みました。対戦 FPS においても、ジャンプによる軌道変化はよくある回避運動ですので、その対処を練習する機会を設けています。
制作面では、移動速度を変化させる機能を活用しています。しゃがみやスプリントや武器ごとの移動速度設定により、多彩な移動速度の変化を生み出しています。先述の多様なターゲットを用いる設定と合わせて、KovaaK's ならではのエイム体験を志向しました。
また、マップの景観の作り込みも意識しています。半透明の床を水面に見立てた表現を取り入れ、水の神殿的な空間を用意してみました。
半透明の床を境に反転させたオブジェクトを配置すると、水面に反射したような視覚効果が得られる説 pic.twitter.com/RaXbJnS9HP
— pleasewait ✛ (@m_plzw) 2023年3月2日
一時期は、景観の作り込みを軽視していた頃もありました。もちろん、立方体の豆腐空間でもエイム練習の体験に影響はありません。ですが、どうせ同じ時間を過ごすなら、居心地の良い空間で過ごしてもらいたいという思いが芽生え、可能な範囲で景観設計も考えるようになりました。今後も制作本数を増やし、レベルデザインの経験を積むことでクオリティを伸ばしていきたいです。