味方と一緒に同じ相手を狙う「Focus Fire」

前作の「Final Blow Trainer」同様、「適切な相手を狙う」をテーマにしてシナリオを考えました。

前作が「体力の低い相手を狙う」自分一人で完結する優先順位づけだったのに対し、今作は「味方が狙っている相手を狙う」味方との協調がテーマになっています。エイム練習というよりFPS練習といった趣の方が強いですね。

ターゲットには自動回復が設定されており、プレイヤー単独で狙うと倒すまでに時間がかかります。しかし、味方ボットの射撃はターゲットの自動回復量と同等のDPSを持つため、味方と一緒に同じ相手を狙った方が素早く倒せるようになり、スコアが伸びやすい、といった構造になっています。

内部的には、ターゲットに向かってランダムに左右移動しながら距離を詰めていくだけのシンプルな挙動の味方ボットですが、意外と味方と戦っている感が味わえて面白い手ごたえがありました。少し気を抜くとどこかへ行ってしまったり、移り気に別のターゲットを狙い始めたりと、味方ボットに振り回されることもしばしばありますが、それも他者との協調の難しさとして「あるある」な印象です。

マップは山間部をテーマにして、ジャンプパッドを多用しました。高低差をつけ、スケールを大きめにとることで、適切な射線を通すためには動く必要性があるように仕向けました。味方と一緒に動き回るテーマを強調するため、その場で立ち止まってすべて対処できてしまうようなマップ構造は避けたかったのです。高所から落ちた際に最寄りの地点に復帰できるよう、落下地点にテレポーターを細かく分割して敷き詰めたり、ボットが左右移動で転落しないよう透明な柵を配置したり、広場の角でスタックしないようジャンプパッドを隅に設置したりと、細かすぎて伝わらない工夫や調整が多々あり、これまでの中でもかなり大変なマップ作りでした。