I'm pleasewait

競技エイミング・FPS/TPS ゲームに関することや取り留めの無い日記など

研修生

この町の駅前はわりと栄えている方なのかもしれない。ショッピングセンターがあり、たいていのものはそこで買える。髪を切ったり、カラオケしたり、食事したり、屋上でのんびりしたりできる。不満があるとすれば、パソコン関連の品ぞろえがあまり良くないことだろうか。たとえばゲームで使うマウスを品定めしたいと思ったら、ちょっと遠出をしなければならない。それに目を瞑れば、日常生活を送る分には快適である。

 

ショッピングセンターの中には、ドーナツ屋が入っている。お土産として買ってきて貰ったことはあっても、自分から買いにいくことや、店内で食べることはなかった。ただ、その日はドーナツ屋の看板を見て食指が動き、初めて入ってみることにした。

 

レジカウンターでは、研修中であることを示す札を胸元に付けた店員が対応してくれた。注文の聞き方や立ち振る舞いがたどたどしく、いかにも研修生という感じがした。この時間で働いているということは、学生なのかもしれない。表情はにこやかであっても、どこか強張っているような、緊張を隠せない様子であった。隣では、先輩と思しき店員が心配そうに寄り添っている。

 

トレイに乗せたドーナツを一つ一つ集計していく際、ドーナツの種類と個数を言うことになっているようだが、まだドーナツの名前を覚えきれていないらしい。数えるのに手間取っていた。そういう様子が、まるで自分を見ているようだった。自分も、初日にはこうなるのだろうなと思った。そんな状態でも、追加でドリンクはいかがでしょうかと、緊張した声でありながらもしっかり提案を行っていた。思わず応じて、飲み物も頼むようにやり取りした。

 

研修生は、集計時に先輩の助けを借りながらも無事に自分とのレジ業務を済ませることができた。少しほっとした様子だった。自分が席に移動した後も、何か先輩からアドバイスを受けていた。まさに教育の場に立ち会ったのだな、という思いがした。日常にありふれた、たんなる客と店の取引、金銭のやり取りであっても、人の成長に寄与することができたという、別の喜びを感じた気がした。どんくさくて、余計に手間がかかって、イライラした、という感想を抱いても不思議ではないはずなのに。店員も、自分と同じなのだと考えることができたからかもしれない。これが自動販売機であったら、成長も何もないのだから、腹を立てることになったであろう。少し恩着せがましいような気もするが、店員の人に経験を積ませるという見方をすると、日々の買い物も別の意味で楽しめるようになるかもしれない。

 

ドーナツをたくさん食べたところ、少しおなかの具合が悪くなってしまった。甘いものを食べすぎるとよくないようだ。次の機会があるならば、控えめに注文したい。