I'm pleasewait

競技エイミング・FPS/TPS ゲームに関することや取り留めの無い日記など

天文の思い出

なぜ宇宙や天文に興味を持ったのかはよく覚えていない。世界の創始に迫る内容が刺激的だったからなのか、星の美しさに心を奪われたからなのか。好きといっても、何かを語れるほど詳しいわけではない。ただ、何となく好きだ。

 

高校の頃、天文活動を行う部活に所属していた。本来は武道の一つでも修めておこうかと、弓道部に入るつもりであったが、その高校には存在していなかった。妥協である。事前に高校をよく調べておけばよかったのだが、そういう調査が面倒であった。怠惰である。何らかの部活に所属した方が良いという雰囲気に抗って、帰宅部を選ぶほどの信念を当時の自分は持ち合わせていなかった。天文に関わる部活があったのは幸いであった。

 

活動内容は主に、校舎の屋上近くに設けられた一室に置いてある天体望遠鏡を使った観測活動である。文化祭になると、撮影した星の写真を展示したり、プラネタリウムを動かして、訪れた人に星の解説を行ったりということもしていた。時には山へ遠征することもあった。天体望遠鏡を担いで登山するのは恐ろしく大変なことであったが、光害のない山奥で見る夜空はとても澄んでいて美しかった。

 

一見すると華々しいように思えるかもしれないが、日常の活動は退屈そのものであった。端的に言えば、やることがなかったのだ。夜間に星を見るためには、学校に泊まり込む必要がある。そのためには、顧問の立ち合いと事前の申請が必要であった。教員側にも都合がある。実際に夜の観測をする機会があったのは1ヶ月に1回程度であった。

 

日中であっても、天体観測できないことはない。太陽がある。しかし、太陽の黒点の活動周期は約11年である。たまたま、自分の高校3年間は黒点が活発でない時期にあたっていた。ままならないものである。黒点が見れるのであれば、毎日観察して位置や活動の変化を楽しむこともできたであろうが、まんまるつるつるの太陽を観察していても、さして面白みはなかった。

 

日中にやることがない。しかし、部活の時間はあるのだから、何かしなければ暇で仕方がない。部室に転がっていた科学雑誌の論文を眺めたり、四季の星図を眺めて星座の位置取りを覚えたり、天体望遠鏡のガイド本を読んで使い方を学んだり、天体望遠鏡の掃除をしたり、そんな感じの適当なことをしてお茶を濁していた。それはそれで活動と呼べなくもないかもしれないが、自分にとっての活動とは天体観測だけであって、これらは時間を潰すためのものでしかなかった。あまり、自分の活動に誇りを持てなかった。穀潰しという感じがした。気持ちのいい日々ではなかった。よく言えば、自分で課題を見つけて取り組む力を磨かれたということになるのかもしれない。しかし、それはあまりに好意的な解釈だろう。いろいろな文献を読んだり、延々と星図とにらめっこしていたというのに、今では内容をほとんど覚えていない。何も残らなかった。

 

それでも、泊まり込みのある日はみんな校舎の屋上で、星を眺めて楽しそうにしていた。それがせめてもの救いだった。星には、人の心を惹きつける何かがあるらしい。冷静に考えてみれば、黒い背景に白い点が散在しているだけなのに、それをぼうっと眺めていたくなってしまう。星の名前も星座の形もすっかり忘れてしまった今となっても、帰り道に星が見えると、嬉しい気持ちになる。なぜかは分からない。考えてみたところで、理由は見つからないのかもしれない。